“オホベシミ”の漢字の書き方と例文
語句割合
大癋100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
尤、物を言はない時代を越すと、口を開くやうにもなつたが、返事をせないか、或は反対ばかりするかであつて、此二つの方面が、大癋オホベシミの面に現れてゐるのだ。
鬼の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
能楽の面に大癋オホベシミと言ふのがあるが、ベシミは「へしむ」といふ動詞から出た名詞で、口を拗り曲げてゐる様である。神が土地の精霊と問答する時、精霊は容易に口を開かない。
鬼の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
大癋オホベシミの面は、全く口を閉ぢてゐる貌であるが、此面には、尊い神の命令を聴くと言ふ外に、其命令を伝達すると言ふ、二つの意味がある。即、神であり、おにであるのだ。
鬼の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)