『特許多腕人間方式（とっきょたわんにんげんほうしき）』
×月×日雨。 午前十時、田村町特許事務所に出勤。 雫の垂れた洋傘をひっさげて、部屋の扉を押して入ったとたんに、応接椅子の上に、腰を下ろしていた見慣れぬ仁が、ただならぬ眼光で、余の方をふりかえった。 事件依頼の客か。門前雀羅のわが特許事務所と …
著者海野十三
ジャンル文学 > 日本文学 > 小説 物語
文字種別新字新仮名
読書目安時間約26分（500文字/分）
朗読目安時間約43分（300文字/分）