純情小曲集じゅんじょうしょうきょくしゅう01 珍らしいものをかくしてゐる人への序文01 めずらしいものをかくしているひとへのじょぶん
萩原の今ゐる二階家から本郷動坂あたりの町家の屋根が見え、木立を透いて赤い色の三角形の支那風な旗が、いつも行くごとに閃めいて見えた。このごろ木立の若葉が茂り合つたので風でも吹いて樹や莖が動かないとその赤色の旗が見られなかつた。 「惜しいことを …
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