寧日ねいじつ
母、吾が為に 鼠の子虫籠に入れて与へぬ 病間の徒然なる 吾指もて小づき戯れ 心明るう時を経にけり。 あはれ鼠の子まこと子なれば 耳孕桃色に血管の脈打つも生物らしく 今は前肢を捧げ餌食みゐるも﨟たけし。 やがて夕べの風出でぬ——時を経ぬ間に …