藤の花ふじのはな
運動場の白い砂の上では四十人あまりの男女が体操をしてゐた。藤棚の下で見てゐると微風が睡気を運んで来るので、体操の時間は停まったままでちっとも動かない。機械体操から墜ちて手首を挫いた豊が、ネルの着物の上に袴を穿いて、手を綳帯で首から吊ってゐた …
題名が同じ作品
藤の花 (旧字旧仮名)若山牧水 (著)