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『五月』
ふりがな文庫
『
五月
(
ごがつ
)
』
電車は恍惚とした五月の大気のなかを走った。西へ傾いた太陽の甘ったるい光は樹木や屋根の上に溢れ、時としてその光は房子の険しい額に戯れかかった。何処の駅に着くのか何処を今過ぎてゐるのか、まるで乗客はみんな放心状態にあるやうな、さう云った一時であ …
著者
原民喜
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
文字種別
新字旧仮名
読書目安時間
約2分(500文字/分)
朗読目安時間
約4分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
一時
(
ひととき
)
存在
(
もの
)
空虚
(
うつろ
)