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『温度』
ふりがな文庫
『
温度
(
おんど
)
』
音楽室の壁に額があった。中年の猫背の紳士が時雨に濡れて枯芝のなかを散歩してゐる——冷え冷えする絵だ。濡れ雑巾を持った儘、どうした訳か、彼女はたった一人で掃除当番をしてゐたのだが、ガラス窓の外にはやはり絵に似た時雨雲があった。 すると突然、先 …
著者
原民喜
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
文字種別
新字旧仮名
読書目安時間
約1分(500文字/分)
朗読目安時間
約2分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
熱
(
ほて
)
赧
(
あから
)