火の唇ひのくちびる
いぶきが彼のなかを突抜けて行つた。一つの物語は終らうとしてゐた。世界は彼にとつてまだ終らうとしてゐなかつた。すべてが終るところからすべては新らしく始まる、すべてが終るところからすべては新らしく……と繰返しながら彼はいつもの時刻にいつもの路を …
作品に特徴的な語句
もつ
題名が同じ作品
火の唇 (新字新仮名)原民喜 (著)