『蛙』
暗い晩で風が吹いてゐました。より江はふと机から頭をもちあげて硝子戸へ顔をくつゝけてみました。暗くて、ざは/\木がゆれてゐるきりで、何だか淋しい晩でした。ときどき西の空で白いやうな稲光りがしてゐます。こんなに暗い晩は、きつとお月様が御病気なの …
著者 | 林芙美子 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
初出 | 「赤い鳥 8月号(終刊号)」1936(昭和11)年8月 |
文字種別 | 新字旧仮名 |
読書目安時間 | 約6分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約9分(300文字/分) |
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