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『真夏の朝のひとゝき』
ふりがな文庫
『
真夏の朝のひとゝき
(
まなつのあさのひととき
)
』
芝区で、二本榎の谷間に部屋を借りてゐた。既に七月の夢が消えてゐた。寺院の鐘の音が霧の深い崖下に渦を巻いた。妻子は私の因循にあきれて、海辺の故郷に赴いてゐた。 私は寺院の鐘の音では夢を破られなかつたが、直ぐの窓下で芝居の幕あきの調子で鳴る紙芝 …
著者
牧野信一
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出
「新潮 第三十巻第九号」新潮社、1933(昭和8)年8月19日
文字種別
新字旧仮名
読書目安時間
約17分(500文字/分)
朗読目安時間
約28分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
在所
(
ありか
)
成人
(
おとな
)
脈翅
(
トンボ
)
膜翅
(
ハチ
)
鱗翅
(
テフ
)