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『病状』
ふりがな文庫
『
病状
(
びょうじょう
)
』
凍てついた寒い夜がつゞいてゐた。 私は、十銭メートルの瓦斯ストーヴに銀貨を投げ込みながら、空の白むまで机の前に坐りつゞけたが、一行の言葉も浮ばぬ夜ばかりだつた。 「いつでも関はぬから起してお呉れ。」 細君は明方の私の食事については、パンや果 …
著者
牧野信一
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出
「文學界」文圃堂書店、1934(昭和9)年7月1日
文字種別
新字旧仮名
読書目安時間
約23分(500文字/分)
朗読目安時間
約38分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
滑稽
(
バロク
)
面
(
めん
)
離室
(
はなれ
)