○ 十日程前、自分は田舎の祖母の家に居た。畑は今丁度麦の刈込みや田の草取りでなかなか忙しい。碧く、高く、晴れ晴れと、まるで空に浮いて居る雲を追って起伏して居るような山々の下に、重い愁わしげに金色の耕地が続いて居る。その中で、汗みどろに成った …
著者 | 宮本百合子 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆 |
初出 | 「宮本百合子全集 第十八巻」新日本出版社、1981(昭和56)年5月30日 |
文字種別 | 新字新仮名 |
読書目安時間 | 約3分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約5分(300文字/分) |