つい先頃、或る友人があることの記念として私に小堀杏奴さんの「晩年の父」とほかにもう一冊の本をくれた。「晩年の父」はその夜のうちに読み終った。晩年の鴎外が馬にのって、白山への通りを行く朝、私は女学生で、彼の顔にふくまれている一種の美をつよく感 …
| 著者 | 宮本百合子 |
| ジャンル | 文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆 |
| 初出 | 「読売新聞」1936(昭和11)年10月11、14、15日号 |
| 文字種別 | 新字新仮名 |
| 読書目安時間 | 約10分(500文字/分) |
| 朗読目安時間 | 約16分(300文字/分) |