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『墓』
ふりがな文庫
『
墓
(
はか
)
』
幾枝はすっかり体を二重に曲げ、右の肱を膝にかって、良人の鼻の上に酸素吸入のカップを当てがっていた。病床の裾近いところに、行燈形のスタンドがともっている。その光りで、羽根布団の茶と緑の大模様がぼんやり浮き立って見えた。酸素瓶のバルブを動かして …
著者
宮本百合子
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出
「サンデー毎日」1926(大正15)年7月1日号
文字種別
新字新仮名
読書目安時間
約10分(500文字/分)
朗読目安時間
約17分(300文字/分)
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