はか
幾枝はすっかり体を二重に曲げ、右の肱を膝にかって、良人の鼻の上に酸素吸入のカップを当てがっていた。病床の裾近いところに、行燈形のスタンドがともっている。その光りで、羽根布団の茶と緑の大模様がぼんやり浮き立って見えた。酸素瓶のバルブを動かして …
題名が同じ作品
(新字新仮名)ギ・ド・モーパッサン (著)
(新字新仮名)正岡子規 (著)
(新字旧仮名)正岡子規 (著)