随筆「断片」ずいひつ「だんぺん」
京都帝大の経済学部教授をしてゐた頃、大正九年九月の新学期から、私は経済学部の部長に補せられた。この地位には大概の教授がなりたがるのだが、私にとつて之は頗る迷惑であつた。と云ふのは、私はすでにその前年の一月に個人雑誌『社会問題研究』を創刊し、 …