かれい)” の例文
元旦の朝のかれいには、筒井は主人といっしょの座にあてがわれ、ひじき、くろ豆、塩したたい雑煮ぞうに、しかも、廻って来た屠蘇とその上のさかずきは最後に筒井のぜんに来て
津の国人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
次には岩代耶麻やま月輪つきのわ村大字山潟の支村には餉沢かれいさわ新田がある。この宛字からは山路の側に清水などの出る地で、旅人がかれいしたためた場処などという説が起りそうだ。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
きのう奴頭に教えられたように、厨子王は樏子かれいけを持ってくりやかれいを受け取りに往った。屋根の上、地にちらばった藁の上には霜が降っている。厨は大きい土間で、もう大勢の奴婢ぬひが来て待っている。
山椒大夫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)