わる)” の例文
「大きにさう云ふ事は有る。然し、本当に惚れんのは、どうだらう、女がわるいのか、それとも男の方が非いのか」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
それがあるとこがうき世をいつたものじやないの。そりや銀さんは、あたしを不人情者とも、不貞腐ふてくされとも思つておいでだろう。もとよりあたしがわるいんさ。
もつれ糸 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
「大変むづかしく成りましたのね。さうですね、それは那箇どつちかがわるい事も有りませう。又女の性分にも由りますけれど、一概に女と云つたつて、一つはとしに在るので御座いますね」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)