“雨声”の読み方と例文
読み方割合
うせい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
師弟共に黙して雨声うせいくもの多時、忽ち一人いちにんあり。高歌して門外を過ぐ。芳涯莞爾くわんじとして、諸弟子を顧みて曰、「せりや」と。句下殺人の意あり。
沸くが如きその心のさわがしさには似で、小暗をぐらき空に満てる雨声うせいを破りて、三面の盤の鳴る石は断続してはなはだ幽なり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
平中は耳を側立そばだてた。成程なるほどふと気がついて見れば、不相変あひかはらず小止をやみない雨声うせいと一しよに、御前ごぜんへ詰めてゐた女房たちが局々つぼねつぼねに帰るらしい、人ざわめきが聞えて来る。
好色 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)