“隻手”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かたて65.9%
せきしゅ24.4%
せきしゆ7.3%
せきし2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は隻手かたてを外へ出してみた。雨はやんでいて雨水は手にかからなかった。雨がやんだのに傘をさしているのはつまらないことであった。
馬の顔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
隻手せきしゅの声は聞えなかったけれども、老師の身説法の幾分かを獲たかのように覚え、今に謝恩の心もあるのである。
鹿山庵居 (新字新仮名) / 鈴木大拙(著)
「ぢやア、どんなものがある? 隻手せきしゆの聲など云つて、いたづらにヰト、頓智を弄してゐるに過ぎない。」
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
軍艦ぐんかん」の艦中かんちうには一人ひとりむるものかつた。艦橋かんけうには艦長松島海軍大佐かんちやうまつしまかいぐんたいさをはじめとし、一團いちだん將校しやうかうつき燦爛さんらんたる肩章けんしやうなみたせて、隻手せきしにぎ双眼鏡さうがんきやうえず海上かいじやうながめてる。