“鈴生”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すずな40.0%
すずなり30.0%
すゞなり25.0%
すゞな5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その眼は情熱に輝きみちみち、その唇は何とも形容の出来ないうらみに固くとざされて、その撫で上げた前髪のぎわには汗の玉が鈴生すずなりに並んで光っていた。
鉄鎚 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
紫色に熟した桑の実が鈴生すずなりっていましたから、手を伸ばしてはそれを取って食べますと、ちょうど甘露のような味がします。
百合の花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
堅い殻に包まれた実が丸く鈴生すゞなりになつてゐるのもわるくない。蝉をさしに来た子供達は、『おい、此処にも何かなつてゐるぜ、やア、なつてゐらア、なつてゐらア』
中秋の頃 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
鈴生すゞなりにひとせたふねが、對岸たいがんくまで、口惜くやしさうにしてつた天滿與力てんまよりきの、おほきなあかかほが、西日にしびうつつて一そうあか彼方かなたきしえてゐた。——
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)