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醜悪
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しゅうあく
ふりがな文庫
“
醜悪
(
しゅうあく
)” の例文
旧字:
醜惡
淫売屋
(
いんばいや
)
から出てくる自然主義者の顔と
女郎屋
(
じょろうや
)
から出てくる芸術至上主義者の顔とその表れている
醜悪
(
しゅうあく
)
の表情に何らかの高下があるだろうか。
時代閉塞の現状:(強権、純粋自然主義の最後および明日の考察)
(新字新仮名)
/
石川啄木
(著)
「けれども又異教席のやつらと、異派席の連中とくらべて見たんじゃ又ずっと
違
(
ちが
)
ってますね。異教席のやつらときたら、実際どうも
醜悪
(
しゅうあく
)
ですね。」
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
そして見たところなんの
醜悪
(
しゅうあく
)
なところは一点もこれなく、まったく美点に
充
(
み
)
ち
満
(
み
)
ちている。まず
花弁
(
かべん
)
の色がわが眼を
惹
(
ひ
)
きつける、
花香
(
かこう
)
がわが鼻を
撲
(
う
)
つ。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
現実の政治は、決して単に美しい理想や理念や論理や良心のみで行われているのではなく、多分に
醜悪
(
しゅうあく
)
で、
低劣
(
ていれつ
)
で、
悪辣
(
あくらつ
)
な側面を含んでいるのである。
政治学入門
(新字新仮名)
/
矢部貞治
(著)
そう思うと、彼は自分の
醜悪
(
しゅうあく
)
な人相がおもいやられた。初めて山寺の炉べりで友の夏駿の顔に気づいたあの
相貌
(
そうぼう
)
が、今の自分にもあるにちがいないと思った。
人間山水図巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
巌の
憤怒
(
ふんぬ
)
は絶頂に達した、およそ学生の喧嘩は双方木剣をもって戦うことを第一とし、格闘を第二とする、
刀刃
(
とうじん
)
や銃器をもってすることは
下劣
(
げれつ
)
であり
醜悪
(
しゅうあく
)
であり
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
その心の厳しさと広さをもって、彼は人性の
醜悪
(
しゅうあく
)
を解するとともに、人性の高貴さをも逸しなかった。
チェーホフの短篇に就いて
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
それが彼の
醜悪
(
しゅうあく
)
と
屈辱
(
くつじょく
)
の過去の記憶を、
浄化
(
じょうか
)
するであろうと、彼は信じたのであった。彼は自分のことを、「空想と現実との
惨
(
いた
)
ましき戦いをたたかう勇士ではあるまいか」
贋物
(新字新仮名)
/
葛西善蔵
(著)
紳士と、
件
(
くだん
)
の
田舎漢
(
いなかもの
)
で、
外道面
(
げどうづら
)
と、鬼の
面
(
めん
)
。——
醜悪
(
しゅうあく
)
絶類
(
ぜつるい
)
である。
蠅を憎む記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「まさか英語のアグリー(ugly
醜悪
(
しゅうあく
)
)じゃあるまいね?」
負けない男
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
犬はもう
憤怒
(
ふんぬ
)
に熱狂した、いましも赤はその
扁平
(
へんぺい
)
な鼻を地上にたれておおかみのごとき両耳をきっと立てた、かれの
醜悪
(
しゅうあく
)
なる面はますます
獰猛
(
どうもう
)
を加えてその
前肢
(
まえあし
)
を低くしりを高く
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
光一とても絶対に活動写真を見ないではなかった、かれは新聞や雑誌や世間のうわさに高いものを五つ六つは見にいった、だがかれはいつもたえきれないような
醜悪
(
しゅうあく
)
を感じて帰るのであった。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
醜
常用漢字
中学
部首:⾣
17画
悪
常用漢字
小3
部首:⼼
11画
“醜悪”で始まる語句
醜悪面