“迂闊”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うかつ84.9%
うっかり4.3%
うっか3.6%
うか2.9%
うくわつ2.9%
うかうか0.7%
うつか0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
多分女学生時代の彼女のロオマンスがたたりを成していたものであろうことは、ずっと後になってから、迂闊うかつの庸三にもやっとうなずけた。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
翌日、焼芋屋の店をうかがふと彼は例の如く竈前かままえに遊んでゐる。しかし昨夜の事を迂闊うっかり饒舌しゃべつて、家内の者をさわがすのも悪いと思つたから、私は何にも言はなかつた。
雨夜の怪談 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
迂闊うっかり大きな声で云って、純文芸家達に知れようものなら、一喝を喰うのは見たようなものです。
大衆文芸問答 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
この話を聞いては、私も迂闊うかとは手が出せないと思いました。「是非一つやって見て下さい」といわれて「では、やって見ましょう」と軽弾かるはずみな返事は出来ない。
見識けんしき迂闊うくわつ同根也どうこんなり源平げんぺい桃也もゝなり馬鹿ばかのする事なり。文明ぶんめいぜにのかゝらぬもの、腹のふくるゝものを求めてまざる事と相見あひみ申候まうしそろ。(十四日)
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
平素の民弥なら迂闊うかうかと、こんな見知らぬ老人などと、話しなどするのではなかったが、今は心が茫然ぼんやりしている。で、うかうかと話すのであった。
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
……ホイ、話が迂闊うつかり横道へれた。這般な議論は么麽どうでも可いが、処で此高時殿が大の闘犬好きで其お庇で我々は大分進歩した。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)