“転変”のいろいろな読み方と例文
旧字:轉變
読み方割合
てんぺん80.0%
テンペン20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ながるる濠の水は春秋しゅんじゅうかわりなく、いまも、玲瓏れいろう秋のよいの半月にすんでいるが、人の手にともされると、つがれるあぶらは、おのずから転変てんぺんしている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わが身のあわただしい転変てんぺんに心をうばわれ、人のことどころではなかったのだ。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
山颪ヤマオロシに吹きサラされて、荒草深い山裾ヤマスソの斜面に、万法蔵院マンホフザウヰンの細々とした御灯ミアカシの、アフられて居たのに目馴れた人たちは、この幸福な転変テンペンに、目をミハつて居るだらう。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
太政官符ダイジヤウグワンプに、更にキビしい添書コトワキがついて出ずとも、氏々の人は皆、目の前のすばやい人事自然の交錯した転変テンペンに、目をミハるばかりであつたので、久しい石城シキの問題も、其で、解決がついて行つた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)