踏掛ふんが)” の例文
馬「さア其処そけえ足イ踏掛ふんがけちゃア馬の口が打裂ぶっさけて仕舞う、踏台ふみでえ持って来てあげよう……尻をおッぺすぞ」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
つんぼひがみの向腹立むかっぱらたちが、何おのれで、わたりをききも、尋ねもせず、足疾あしばやにずかずかと踏掛ふんがけて、二三間ひょこひょこ発奮はずんで伝わったと思うと、左の足が、ずぶずぶと砂に潜った。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
主人「ナニ無沙汰の事は何うでもい、が、其の大金を取って横山町よこやまちょうの横と云う字にも足は踏掛ふんがけまいと誓った伊之助が、若の許へ来て逢引をしては済むまいナ」
石瓦いしがわら、古新聞、乃至ないし懐中ふところからっぽでも、一度目指した軒を潜って、座敷に足さえ踏掛ふんがくれば、銚子を倒し、椀を替え、比目魚ひらめだ、鯛だ、とぜいを言って、按摩あんままで取って、ぐっすり寝て
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
何うも気に成るから振りかえて見ると、其の若い者がバタ/\/\と下手しもての欄干の側へ参り、又片足を踏掛ふんがけて飛び込もうとする様子ゆえ、驚いて引返ひっかえして抱き留め
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
長「何んだおめえは、足を欄干へ踏掛ふんがけてうするんだ」
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)