走馬燈そうまとう)” の例文
新字:走馬灯
ゴルドンの穏和おんわな顔、モコウの白い歯、次郎の悲嘆ひたんにくるる顔、そしてなつかしい父母の顔、いろいろの顔が走馬燈そうまとうのように明滅めいめつする。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
脳裏には、トランクの男を初めとして、河野に追われた影の男、湖畔亭の主人、今聞いた松村青年、はてはあの河野の姿までが、走馬燈そうまとうの様に浮かんでは消えるのです。
湖畔亭事件 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
苦悩くのうは大切にしまっておきたく、それとはあべこべに、あなたとの楽しかった遊びが、次から次へと、走馬燈そうまとうのようにおもい出され、清さんのそれからの御意見も、いつしか空吹く風と
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
田圃たんぼ畦道あぜみち走馬燈そうまとうのやうに馳けて行くのですが、不思議なことに、田圃で働いてゐる人も、道行く人も、八五郎に助勢しようといふ者は一人もなく、自分が惡いことでもしたやうに
昼間からの事々が、走馬燈そうまとうのように頭の芯をけめぐる。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
くるりくるりと走馬燈そうまとう(発端篇)
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
人生は陳腐なるかな走馬燈そうまとう
六百五十句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
「まるで走馬燈そうまとうを見るようだ」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)