見外みそ)” の例文
実にお見外みそれ申します……えゝ貴方のおちいさい時分に私はお屋敷へ上ったことがございます、あの時はそれ両方のお手に大きな金平糖と小さい金平糖
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
『まァ、春樹さんじゃありませんか、まァまァすっかりお見外みそれいたしましたよ、ほんとにお久し振りで……』
蝕眠譜 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
乃公は直ぐにストーブの中へ仮髪をべて了った。そして蓋をするかしないに、戸が明いて校長が顔を出した。頭が丸薬鑵だからお見外みそれ申すような顔であった。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「アハハハ。あやまったあやまった。お見外みそれ申しました。イヤ全くこんな酒宴さかもりは初めてだ」
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「お馴染様は、何方どなた様で……へへへ、つい、お見外みそれ申しましてございまして、へい。」
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「まア貞雄さんでしたの。大きくなられて——妾すっかりお見外みそれをいたしましたわ」
三人の双生児 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「はあ、山岡屋の番頭さんか、それはお見外みそれ申しました」
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ついお見外みそれして すみません。
かしはばやしの夜 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
「まあ……どうも飛んだ失礼を致しまして……場所慣れない若いものばかりなもんですから……お見外みそれ申しまして……さあどうぞ……ほんとにお久し振りでしたわねえ。御無沙汰ばかり……」
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「こりゃ、お見外みそれ申したというものだ」
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ついお見外みそれして すみません
かしはばやしの夜 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
「ついお見外みそれ致しました」
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
ついお見外みそれして すみません
かしわばやしの夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「お見外みそれ申したかな」
脱線息子 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「時折昔の生徒に会うよ。この間は銀座で、先生々々と後ろから呼ぶ紳士があった。お見外みそれしたが、初任地の甲府で教えた生徒だった。出世して一流会社の重役になっていた。昔の生徒に会うのは、嬉しいものだよ。殊に立派になっていてくれると嬉しい」
ロマンスと縁談 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)