薄寒うすらさむ)” の例文
やや乱れたか衣紋えもんを気にして、手でちょいちょいと掻合わせるのが、何やら薄寒うすらさむそうで風采とりなりも沈んだのに、唇が真黒まっくろだったは、杜若かきつばたく墨の、紫のしずくを含んだのであろう、えんなまめかしく
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)