そう)” の例文
旧字:
「それはまあしかたがない。こんな小さな家には、庵ぐらいがちょうどいいよ。かくとかそうとかでは大げさすぎる。はっはっ。」
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
その時分はまだ一個のそう、家も二十軒あったのが、娘が来て一日二日、ついほだされて逗留とうりゅうした五日目から大雨が降出ふりだした。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「言いおくれましたが、お蔭でその後、当地へ流れて来て、今では独龍山の地頭一族の一そうに、まあ浪人の用心棒格といった名目で、召抱えられておりますんで」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
季康子問う、民をして敬忠ありてつとめしめんには如何にすべき。子曰く、之に臨むにそうを以てすれば則ち敬あらん、孝慈ならば則ち忠あらん、善きを挙げて不能を教うれば則ちつとめん。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
その付近は昔の河津のそうで、曾我物語そがものがたりに縁古のある土地であった。
火傷した神様 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
あしは葦の仲間を呼び、揚子江ようすこうの“三覇さんぱ”一そうに会すること
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)