“苟且”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かりそめ78.8%
こうしょ9.1%
かり6.1%
こうしよ3.0%
ゆるかせ3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
溺れる心はないが、今の自分もやはりお松という女に、苟且かりそめながら引かれて来たことを思うと、そこにも情けないものがあるようです。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
人ややもすればすなはち護法と称するも、此の如き苟且こうしょの手段に依るに非ざれば以て仏教を保護する能はずとせば、保護したりとて何の効かあらむ。
仏教史家に一言す (新字旧仮名) / 津田左右吉小竹主(著)
併しながら庄次はさういふ仲間と表面は甚だしい疎遠ちがいはなくてもそれに感染かぶれるやうなことは苟且かりにもありませんでした。
白瓜と青瓜 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
事理を剖析ほうせきし状情を探究し以て因果の在る所を解明す。まことに学術上の最難事たり。而も軽忽に之を論断し苟且こうしよに之を言説して顧みず揚々として得色あるが如きものあるはそもそも何の心ぞ。
史論の流行 (新字旧仮名) / 津田左右吉(著)
山沢を漫渉まんせふして、渓澗けいかんの炎暑の候にもれざるを見る時に、我は地底の水脈の苟且ゆるかせにすべからざるを思ふ、社界の外面に顕はれたる思想上の現象に注ぐ眼光は
徳川氏時代の平民的理想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)