“花梨”の読み方と例文
読み方割合
かりん100.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今度は落著おちついて、畳の上にすわりこんで、毎日使っている花梨かりんの机の上に立ててみると、三、四分でちゃんと立たせることが出来た。
立春の卵 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
軸には花梨かりんの木が用いてあり、表装には金襴きんらん古裂ふるぎれが使ってあって、何となく秘品の紐を解く気持をいだかせられる。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし、甲谷の得意なシンガポールの材木は、花梨かりん木もタムブリアンも、ミラボーも、に一つとして見ることが出来なかった。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
正面、奥とのさかいに銀いぶし六枚折りの大屏風おおびょうぶ、前に花梨かりんの台、上に鎧櫃よろいびつが飾ってある。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
わずかに庭前のかけひの傍にある花梨かりんつぼみが一つほころびかけているのを、いかにも尼寺のものらしく眺めなどしながら、山の清水の美味なのに舌鼓を打ちつつコップに何杯もお代りを所望したりして
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
美麗さと安直さによって驚嘆すべき、花梨かりんの箪笥を見せるためである。
(新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
侍側の諸臣はみな眼をみはった。瘡口はさながられた花梨かりんぐらいにふくれあがっている。華陀は嘆息をもらした。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あっと、思わず首をすくめたせつなに、黒衣くろごの武士が、足をあげて、鉄板のように重い花梨かりんの大卓を蹴たおしたので、東儀与力はその下に押しつぶされて、
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
プーンと醗酵はっこうしている花梨かりんれたかきは岩のあいだに落ちて、あまいさけになっている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
金砂子きんすなごの袋戸棚、花梨かりん長押なげし、うんげんべりの畳——そして、あわ絹行燈きぬあんどんの光が、すべてを、春雨のように濡らしている……。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)