“花屑”の読み方と例文
読み方割合
はなくず100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お島はそう言いながら、そこにあった花屑はなくずを取あげて、のそりとしている小野田の顔へたたきつけた。つりあがったような充血した目に、涙がにじみ出ていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「春も終りだから、散った花屑はなくずやら人間の惰気だきを、ひと雨ドッと、洗いながすもよかろう」
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
顕家の瞼には、一瞬、はかない花びらが、水の上の花屑はなくずのように流れ去ッた。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)