芥屑ごみくず)” の例文
おまけに彼は街を歩くのに、ちょうど窓先からいろんな芥屑ごみくずを投げすてる時をみはからって、その下を通るという妙なくせがあった。
外套 (新字新仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
そして、漫々とたたえた水が、ゆるく蒼空あおぞらを映して下流の方へ移るともなく移って行く。軽く浮く芥屑ごみくずは流れの足が速く、沈み勝ちな汚物をめぐるようにして追い抜いていく。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
燻炭くんたん肥料ひりょうと云う事が一時はやって、芥屑ごみくず燻焼くんしょうする為に、大きな深い穴が此処其処に掘られた。其穴の傍で子を負った十歳の女児むすめと六歳になる女児が遊んで居たが、誤って二人共穴に落ちた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)