“膏切”の読み方と例文
読み方割合
あぶらぎ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
両足を湯壺ゆつぼの中にうんと踏ん張って、ぎゅうと手拭てぬぐいをしごいたと思ったら、両端りょうはじを握ったまま、ぴしゃりと、音を立ててはす膏切あぶらぎった背中へあてがった。
二百十日 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
待つ間ほどなく現われたのは、剃り立ての坊主頭の被布ひふまとった肥大漢で、年は五十を過ぎているらしく、銅色をした大きな顔は膏切あぶらぎってテカテカ光っている。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
衣紋えもん背のなかばに抜け、帯は毒々しきの上に捩上よれあがりて膏切あぶらぎったる煤色すすいろの肩露出せり。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)