)” の例文
上品ではあツたが、口の利方ききかたせた方で、何んでもツベコベと僥舌しやべツたけれども、調子の好かツたせいか、ひとに嫌はれるやうなことはなかった。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
鷲尾が畳みかけると、微笑わらっている無邪気そうな眼の中を、おそろしくせたものが一瞬キラリとよぎったと思われた。
冬枯れ (新字新仮名) / 徳永直(著)
十六といふ齡には少しせて居るが、限りなき愛嬌を顏一杯に漲らして、態とらしからぬ身振が人の氣を引いた。
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
幸子はこの妹が、小娘の時からせたことを云う癖があるのを知っていたが、もう実際にそんな云い方が似合う年頃になっているのだなあと感じながら
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)