“罐”のいろいろな読み方と例文
新字:
読み方割合
かん63.6%
くわん21.2%
かま6.1%
びん3.0%
カマ3.0%
ボイラア3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
コオンド・ビイフのかんを切ったり、枯れ枝を集めて火をつけたり、——そんなことをしているうちにかれこれ十分はたったでしょう。
河童 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
半分はんぶんたあとが、にしてざつ一斤入いつきんいれちやくわんほどのかさがあつたのに、何處どこさがしても、一片ひときれもないどころか、はて踏臺ふみだいつてて、押入おしいれすみのぞ
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
小豆島と高松を往復する一〇〇トン足らずのボロ汽船であったが、彼の石炭のいれ方がちゃちだから船が進まんと、かまの前でへっぴり腰を蹴り飛ばされた。
(新字新仮名) / 織田作之助(著)
贋金にせきんの果実をつけて得々たる南部地方ミディイの蜜柑の樹、お前は降誕祭の飾り樹に似ている。ただお前はそれよりも貧弱だ。あの枝の中には小さなリキュウルのびんがある。
重治の「汽車のカマ焚き」ごろ(二年以上前)からそういう名詞が文学上にあらわれたが、現在の文学作品においては質のすりかえと役立っている。
眼の前には恐しく大きなボイラアが幾つも、噴火山の樣な音を立てて並んでゐる。罐の前の通路は、甚だ狹い。
軍艦金剛航海記 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)