“納涼台”の読み方と例文
旧字:納涼臺
読み方割合
すずみだい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
岩端いわばなや、ここにも一人、と、納涼台すずみだいに掛けたように、其処そこに居て、さして来る汐をながめて少時しばらく経った。
海の使者 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一軒の茶店ちゃみせのような家が眼の前にあった。そこはみちの幅も広くなっていた。一けんくらいの入口には納涼台すずみだいでも置いたような黒い汚い縁側えんがわがあって、十七八の小柄な女が裁縫さいほうをしていた。
雑木林の中 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
蝦蟇とお通のあるためなりと納涼台すずみだいにて語り合えるを美人はふと聞噛ききかじりしことあればなり、思うてここに到るごとに、お通は執心の恐しさに、「母上、母上」と亡母を念じて
妖僧記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)