立向たちむか)” の例文
理不盡りふじんなるいかり切先きっさきたゞ一突ひとつきにとマーキューシオー殿どの胸元むなもとをめがけていてかゝりまする、此方こなたおなじく血氣けっき勇士ゆうし、なにを小才覺ちょこざいなと立向たちむか
ややあつて、大跨おおまたの足あとは、ぎゃく退しさつたが、すツくと立向たちむかつた様子があつて、切つて放したやうに
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
しばしして吾が立向たちむか温泉うんぜん妙見めうけんたけの雲のかがやき
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
「そこだ。」と今卓子ていぶるを打てる百人長はおおいに決する処ありけむ、きっと看護員に立向たちむかいて
海城発電 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
関所に立向たちむかつて、大音だいおんに(権現ごんげんが通る。)と呼ばはれ、すみやかに門をひらく。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)