ひゃく)” の例文
まっさきに、ふたりのひゃくしょう女がとびました。ふたりとも、うまく わをとびぬけました。ところが、からだが どたどた しています。
今の世の妲己のおひゃくは、たくましい情夫と力を合せて、残虐の数々を演じ、忽然として大都会の唯中に消え失せたのだ。
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
茶の間の方では、癇高かんだかい妻のおひゃくの声や内気らしい嫁のおみちの声がにぎやかに聞えている。時々太い男の声がまじるのは、折からせがれ宗伯そうはくも帰り合せたらしい。
戯作三昧 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
一休いっきゅうさんの うまれたのは おうえいがんねん、いまから ざっと 五ひゃく六十ねんばかり まえの ことです。
一休さん (新字新仮名) / 五十公野清一(著)
「え、おぢさん、これがはやいんですつて。わたしはもうひゃくぺんもうたひましたよ。」
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
ほかには死んだ五兵衛の妾お絹と下女のおひゃくだけ。お絹は商売人上がりの三十女で、愛嬌あいきょうがボタボタこぼれそうな豊艶な女。それが大芝居で悲歎場を見せるのは、身内の人達の大きな悩みでした。
いちばん上の王子おうじは、もりにでかけていって、一日じゅう さがしました。けれども、日がしずむときまでに みつけたのは、たったひゃくつぶきりでした。
ひゃくりょうで ございます。みせを うると、そのひゃくりょうが かえせます。」
一休さん (新字新仮名) / 五十公野清一(著)
「おひゃくは。」
戯作三昧 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そのころは、こくもつが、いまよりも ずっとずっと よく みのりました。むぎのほも、五十や六十 ばかりではありません。四ひゃくも五ひゃくも ついていました。
「ほう、ひゃくりょうかな。」
一休さん (新字新仮名) / 五十公野清一(著)
ひゃくしょう女なら、うまく とぶだろう。からだがじょうぶだからな。しかし、あんな きゃしゃなおひめさまが とんだりしたら、いっぺんに んじまうだろう。)
けれども、このにいさんも、いちばん上のにいさんより、そんなに うまくやることはできませんでした。一日かかって みつけたしんじゅは、二ひゃくつぶだけだったのです。
ただ、いきなりであった おひゃくしょうの女を、つれてきたのです。