白綾子しろりんず)” の例文
双子ふたこの着物に白ッぽい唐桟とうざん半纏はんてん博多はかたの帯、黒八丈の前垂まえだれ白綾子しろりんずに菊唐草浮織の手巾ハンケチうなじに巻いたが、向風むこうかぜに少々鼻下を赤うして、土手からたらたらと坂を下り
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まんじくずしの紗綾形さやがた模様のついた白綾子しろりんずなぞに比べると、彼の目にあるものはそれほど特色がきわだたないかわりに、いかにも旧庄屋風情ふぜいの娘にふさわしい。色は清楚せいそに、情は青春をしのばせる。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)