ねんこのかた、地方自治体ちほうじちたいはようようゆたかになったので、その管下かんか病院びょういん設立たてられるまで、年々ねんねん三百えんずつをこの町立病院ちょうりつびょういん補助金ほじょきんとしてすこととなり
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
かくてイワン、デミトリチは宿やどかりることも、療治りょうじすることも、ぜにいので出来兼できかぬるところから、幾干いくばくもなくして町立病院ちょうりつびょういんれられ、梅毒病患者ばいどくびょうかんじゃ同室どうしつすることとなった。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
町立病院ちょうりつびょういんにわうち牛蒡ごぼう蕁草いらぐさ野麻のあさなどのむらがしげってるあたりに、ささやかなる別室べっしつの一むねがある。屋根やねのブリキいたびて、烟突えんとつなかばこわれ、玄関げんかん階段かいだん紛堊しっくいがれて、ちて、雑草ざっそうさえのびのびと。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)