牛馬うしうま)” の例文
何が楽しみに轅棒かぢぼうをにぎつて、何が望みに牛馬うしうまの真似をする、ぜにを貰へたら嬉しいか、酒が呑まれたら愉快なか、考へれば何もかも悉皆しつかい厭やで
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
里人りじんは雪車に物をのせ、おのれものりて雪上をゆく事舟のごとくす。雪中は牛馬の足立ざるゆゑすべて雪車そりを用ふ。春の雪中おもきおはしむる事牛馬うしうままさる。
お常奴は己がこれまで食う物もろくに食わせないで、牛馬うしうまのように働かせていたものだから、獣のようになっていて、女らしい性質が出ずにいたのだ。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
「イワン王と戦をしてあの国を取ってしまってはいかがでしょう。あの国には金はちっともありませんが、穀物でも牛馬うしうまでも、その他何でもどっさりあります。」
イワンの馬鹿 (新字新仮名) / レオ・トルストイ(著)
わしの懇意な者が高輪たかなわに茶店を出して、旧幕時分で、可笑しかった、帆かけ船は見えるし、二十六の月を見て結構でしょうと云うと、左様そうでない、通るものは牛馬うしうまばかりで
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
果てはただ一立身の捷逕しょうけいとして、死すとも去らじと思える参謀本部の位置まで、一言半句の挨拶あいさつもなくはぎとられて、このごろまで牛馬うしうま同様に思いし師団の一士官とならんとは。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
俺が朋輩の家禽にはとり牛馬うしうま夥伴なかまでは、日本産でも純粋種は大切だいじにして雑種はいやしんでおるさうだ。それ当然あたりまへの筈だのに、犬だけは雑種までが毛唐臭い顔付をしてけつかるは怪しからん咄だ。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
あとは残らず牛馬うしうま扱ひ。
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「そら牛馬うしうまめ」
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
なにたのしみに轅棒かぢぼうをにぎつて、なにのぞみに牛馬うしうま眞似まねをする、ぜにもらへたらうれしいか、さけまれたら愉快ゆくわいなか、かんがへればなに悉皆しつかいやで
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あとはのこらず牛馬うしうまあつかひ。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)