無動寺むどうじ)” の例文
やがて無動寺むどうじの一乗院へたどりついた。その間に、太夫房覚明と性善坊とは、範宴を先に立ててかなり親しく話していたが、一乗院まで来ると
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
山徒いよ/\これをにくみて、無動寺むどうじの上よりして、数千丈高き岩の上をば、ころばかしたりける間、この鐘微塵みじんに砕けにけり、今は何の用にか立つべきとて、そのわれを取り集めて、本寺へぞ送りける
三界のほこりやあくたの大河も遠く霞の下に眺められ、叡山えいざんの法燈鳥語もまだ寒い芽時めどきを——ここ無動寺むどうじ林泉りんせんじゃくとして、雲の去来のうえにあった。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
建久二年の年は、範宴はんえん少納言がこの東塔とうとう無動寺むどうじに入ってから、ちょうど九年目に当たる。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)