“渡津海”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
わたつみ80.0%
わだつみ20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
鱗に、爪に、角に、一糸掛けない白身はくしんいだかれ包まれて、渡津海わたつみの広さを散歩しても、あえて世にはばかる事はない。誰の目にも触れない。人はゆびさしをせん。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
肉落ちて血色なく、死人の如き面なれど、これのみは年も病もえ奪はざりけん、暗黒にして、渡津海わたつみのそこひなきにも譬へつべき瞳は、磁石の鐵を吸ふ如く、我面に注がれたり。