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浩蕩
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こうとう
而して彼らを送りし船は、
已に去りて
浩蕩の濤に
擒にせられ水烟
渺漫の
裡に在り、腰刀、
行李またその中に在りて行く所を知らず。
私たちの舟はまた
櫓の音も
緩く緩く波上に遊んでゆく、流れはもはや急ではない、
大江の
浩蕩とした
漣である。
其略に曰く、
乾坤は
浩蕩たり、一主の独権にあらず、宇宙は
寛洪なり、諸邦を
作して以て分守す。
蓋し天下は天下の天下にして、一人の天下にあらざる
也。
私の疲れた視神経には、あの石段の全体がまるで
浩蕩たる光りの海のやうに見えた。