おめえ)” の例文
そん時だ、われの、顔は真蒼まっさおだ、そういうおめえつらは黄色いぜ、ととまの間で、てんでんがいったあ。——あやかし火が通ったよ。
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
敵同志だっておめえが三藏を怨むのアそりゃア兄いと無理だんべえ、成程お賤さんのめえもあるから、そういうか知んねえが、三藏を敵とおめえば無理だぞ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
おらあおめえの運は汝にまかせてえ、おらが横車を云おう気は持たねえ、正直にかくさず云ってくれ。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
串戲じようだんぢやない。おめえくつをしけりや、おれだつて衣服きものをしいや。いくらあたらしいくつだつてどろがついてら、をつけねえか。」と、けぐめをくらはす。
人参 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
新「強請事ねだりごとをいわずに遣って呉れ、其の代り首尾よく遣って利を見た上でおめえに又礼をしよう」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
待てえ、向うは泥坊を取って押えるようなえらい侍だから、か弱いおめえら二人でん出しても仕様がない、返り討にでも成ってアならねえから待っちろと云うのに、聞かないで駈ん出すから
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「だって、おめえ良人ていしゅなら、おいらにゃあかたきだぜ。」
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)