此宿このしゆく)” の例文
立ち出づ宿しゆくの朝景色何處いづこも勇ましく甲斐々々しく清々すが/\しきものなるが分きて此宿このしゆくは馬で心よく搖られ行く爲か面白し宿しゆくを離るれば諏訪の湖水朝霧立こめて空も雨を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
さへ置かれけるとか和田鳥居と過來つる目にはさしも深山みやまうちなりとは思はれず左りながら此宿このしゆく
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
隱して云ふに左らばと此宿このしゆくに泊る梅花道人茶店に待てありしが一つになり見ぬ事とて早足の自慢大げさなり脇に羽の生えた跡もなけれどさて宿にりて見れば家名いへなは忘れしが家居いへゐ廣く清らかにて隣りに大きな櫛店くしみせもあり宿しゆく中第一の大家とは知られぬ湯に入り名物の櫛を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)