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止難
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やみがた
好みて相應に打ける
故折々は重四郎を
碁の相手となせしを以て重四郎は猶も
繁々出入なし居しが
偶然娘お浪の
容貌の
美しきを
見初しより
戀慕の
情止難く獨り
胸を
焦せしが
寧そ我が思ひの
情を
樂しみに
暮し給へと
種々に
宥めつ
透しつ
諫ると雖もお光は更に思ひ止るべき
所存無れば猶押
返して頼みけるに清右衞門一
圓取用ひ呉ざれば
詮術なさに
凄々と我が屋へ
社は
立戻れど
熟々思へば
懷ふ程無念悔しさ
止難ければ
店請人清右衞門を