“樹梢”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こずえ62.5%
じゅしょう25.0%
こずゑ12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
近き碑を包み遠き雲をかすめつ、そのあおく白き烟の末に渋谷、代々木、角筈つのはずの森は静に眠りて、暮るるを惜む春の日も漸くその樹梢こずえに低く懸れば
父の墓 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
終りには肩をすぼめて、恐る恐る歩行た。雨は満目まんもく樹梢じゅしょううごかして四方しほうより孤客こかくせまる。非人情がちと強過ぎたようだ。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
紅蓮白蓮のにほひゆかしく衣袂たもとに裾に薫り来て、浮葉に露の玉ゆらぎ立葉に風のそよける面白の夏の眺望ながめは、赤蜻蛉菱藻ひしもなぶり初霜向ふが岡の樹梢こずゑを染めてより全然さらりと無くなつたれど
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)