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紫ははとの胸毛の如くに美しくもいろめたるもの、また緑は流るる水の緑なるが如く、藍は藍めの布の裏地を見る心地ここちにもたとへんか。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そしてこの紫根染しこんぞめも茜染あかねぞめもいろいろの模様もようを置くことができず、みなしぼめである。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
「やはりそちは歌の家、二条為子の腹の子ではあるの。いまこそ人はそれぞれに——すみめの色をもへつ月草の、移れば変る花のころもに——とみな栄耀えようを愉しもうとしておるのに」
口子くちこは赤いひものついた、あいめの上着うわぎを着ておりましたが、そのひもがびしょびしょになって赤い色がすっかり流れ出したので、しまいには青い着物もまっかに染まってしまいました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)