朝廷みかど)” の例文
その時、其津の水沼於而ミヌマイデ(?)テ、御身沐浴ソヽしき。かれ、国造の神吉事カムヨゴトまおして朝廷みかど参向まいむかふ時、其水沼出而イデヽ用ゐ初むるなり。
水の女 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
朝廷みかどの大命の畏くて、故郷に残しおきつる妻子の今宵や指かがなへて帰るを待つらむなど、益荒武雄ますらたけをの心ながらも宛ら磯礁いそいはに砕くる白波に似たりけり。
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
「およそ朝廷みかどの人どもは、あしたには朝廷に參り、晝は志毘がかどつどふ。また今は志毘かならず寢ねたらむ。その門に人も無けむ。かれ今ならずは、謀り難けむ」
今日よりは朝廷みかどたふとみさひづるや唐国人からくにびとにへつらふなゆめ
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
食国をすくにの とほ朝廷みかどに 汝等いましらし 斯くまかりなば 平らけく 吾は遊ばむ 手抱たうだきて 我は御在いまさむ 天皇すめらが うづの御手みてち 掻撫かきなでぞ ぎたまふ うち撫でぞ 労ぎたまふ 還り来む日 相飲まむぞ この豊御酒とよみき
君臣相念 (新字旧仮名) / 亀井勝一郎(著)
かれ命を受けたまはりて、罷りでます時に、伊勢の大御神の宮に參りて、神の朝廷みかどを拜みたまひき。
百合姫の朝廷みかどはありと、——
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)